一、屋根が損傷・漏雨する「3 大主要因」

1. 素材の経年劣化最も一般的な原因は屋根素材の老化です。スレート瓦やアスファルトシングルは、長年の太陽光（紫外線）、風雨、温度差により、ひび割れや亀裂が生じたり、接着部分が剥がれたりします。特に築 10 年以上の家では、定期的な点検が不可欠です。
2. 施工不良やメンテナンス不足新築時の施工ミス（例：瓦の隙間が大きすぎる、防水シートの貼り方が不適切）も、長期的に漏雨の原因となります。また、屋根の排水口に枯葉やゴミが詰まり、雨水が停滞すると、防水層に負担がかかり損傷が加速します。
3. 自然災害や外部衝撃台風の強風で瓦が飛ばされたり、大雪で屋根に過度な重量がかかり変形したりするケースも多いです。さらに、鳥や小動物が屋根に巣を作ることで、素材が啄まれたり防水層が破られたりすることもあります。

二、屋根の損傷・漏雨を修復する「具体的な方法」

1. 小規模な損傷：自分で対応できるケース

• 瓦のひび割れや欠け：損傷した瓦を取り外し、新しい瓦を同じ位置に固定。隙間には防水用のシーリング材を塗布して雨水の浸入を防ぎます。
• 排水口のゴミ詰まり：スコップやブラシで枯葉・ゴミを除去し、水道水で排水路を洗い流す。定期的（例：季節の変わり目）に清掃すると、漏雨を未然に防げます。
• 小さな亀裂（アスファルト屋根）：亀裂部分をサンドペーパーで軽く研磨し、除染した後、屋根専用の補修用パテを埋め込み、表面を平らに仕上げます。

2. 大規模な損傷：専門業者に依頼すべきケース

• 瓦が大量に脱落したり、屋根板が変形：屋根の構造自体に問題がある可能性が高いため、専門の建築会社や防水会社に点検を依頼。必要に応じて屋根全体のリフォームを検討しましょう。
• 天井内部が浸水・カビ発生：漏雨が長期間放置されると、木材が腐食したりカビが生えたりする。業者による防水工事と同時に、浸水した部分の乾燥や除菌処理も行う必要があります。

三、屋根の寿命を延ばす「予防策」

屋根の損傷は「予防が最良の対策」です。

• 毎年春と秋に屋根の点検を実施（高所に上る場合は安全装置を使用）。
• 屋根の上に植物が生えている場合は、早めに除去して素材の劣化を防ぐ。
• 台風や大雪の到来前に、瓦の固定状態や排水口を確認しておく。

屋根は家の「一番上の守り神」です。原因を把握して適切な修復を行い、定期的なメンテナンスを続ければ、長年にわたって安心して住むことができます。